新しい屋根で覆って雨漏りの不安を解消
屋根カバー工法とは、その名の通り既存の古くなった屋根の上から新しい屋根材で覆い、雨水の浸入を防ぐというメンテナンス方法です。屋根が二重になるのが特色であり、屋根を重ねて葺くことから「重ね葺き」と表現されることもあります。雨漏りの心配がある現在の屋根をそっくり覆ってしまうため、不安を解消して安心の暮らしを送れます。
屋根カバー工法のメリット
メリット①:解体も廃材の不安もほぼなし
カバー工法を選択した場合、解体工事と廃材処理がほとんど必要ないため、一般的な葺き替え工事と比較してコストを大幅に削減できます。特に、2004年にアスベスト濃度の法規制が変更された結果としてアスベストを含む建材の解体が一層難しくなり、処分費用もかなり高額になる傾向にあります。廃材がほとんど出ないカバー工法であれば、そうした屋根でも費用を抑えながら新しくできます。アスベストが含まれているとしても、破壊や粉砕をしない限り空気中に飛散することはありませんのでご安心ください。
メリット②:工期を大幅に短縮できる
塗装の場合には足場の設置や養生などに多くの時間がかかり、葺き替え工事では解体や撤去、処分にも手間がかかります。一方、カバー工法では工期が短くなって人件費の分だけ費用も圧縮できるという利点があります。屋根工事を行う際にはどうしても普段とは異なる環境で暮らすことになり、心理的な負担や不安も経験します。足場で出入りがしにくい、窓が開けづらいといった不便をできるだけ減らし、短い期間で日常生活に戻れるのはカバー工法ならではのメリットと言えるでしょう。
メリット③:工事期間中にも普段の暮らし
カバー工法で解体が必要になるのは棟の板金や雪止め程度です。そのため、一般的な戸建て住宅の場合には約半日で解体工事が終わり、お住まいの内部にも手を加えることは一切ありません。また、塗装工事と比較して臭いもほとんど出ないため、工事期間中であっても普段の暮らしと同じくストレスのない環境が維持できます。
メリット④:地球に優しいエコな工事
既に取り上げたアスベストの問題以外でも、廃材を運搬する回数や量が増えれば増えるほど二酸化炭素の排出が増えます。地球温暖化の主な原因とされている二酸化炭素の排出量削減に大きく貢献できるのも、カバー工法の特色と言えるでしょう。地球に優しくエコな工法としても大きな注目を集めています。
屋根カバー工法の注意すべき点とは
デメリット①:カバー工法に向かない屋根もある
一般的な戸建て住宅でよく採用されている金属屋根やスレート屋根などはカバー工法に向いていますが、古くからの瓦屋根や太陽光発電装置を設置したい場合などには不向きと言えます。もちろん、両者とも施工はできますが、別の工法でメンテナンスしたほうがコスト面でお得になるケースがほとんどです。知識や経験をお持ちでない方にとっては、「どの方法が良いのかわからない」といったお悩みがあるかもしれません。カバー工法についてはいつでもお気軽にご相談ください。
デメリット②:劣化状況によっては施工できない場合も
屋根の下地が劣化していた場合、そのままカバーしますと建物内部にまで腐食が進んでしまう危険性が残ります。その後に修繕する場合には現在の屋根と従来の屋根の両方を取り外す必要が生じ、大変な手間と費用がかかります。そうした背景を考慮し、下地部分まで入念な点検と調査をした上で施工の可否を判断しております。劣化や破損の状況によってはカバー工法以外のプランをご提案することもございます。
デメリット③:屋根が少し重くなる
耐震性だけを考慮しますと、当然のことながら屋根は軽い方が有利です。これまでの屋根を撤去せずにその上に新たな屋根を被せるというカバー工法では、どうしても重量が増えてしまいます。もちろん、最大限に軽い金属屋根材を使うことによってデメリットを極力減らすこともできますので、耐震性や重量が気になる方はいつでも気軽にお問い合わせください。
CASE
施工事例
対象の記事はございません
屋根のカバー工法に必要な日数は、約5日が目安
屋根カバー工法の施工の流れ
カバー工法と葺き替えのコストや効果の比較
「屋根カバー工法」と「屋根葺き替え」を比較すると以下のようになります。
比較項目 | カバー工法 | 葺き替え |
---|---|---|
施工費用 | 安い | 高い |
工期 | 短い | 長い |
アスベスト処理費用 | かからない | かかる |
断熱性・遮音性 | 上がる | 影響なし |
劣化部分 | 直せない | 直せる |
次の工事の費用 | 高くなる | 影響なし |
耐震性 | 下がる | 影響なし |
新しい素材の選択肢 | 金属系のみ | 自由 |
瓦屋根への施工 | 不可能 | 可能 |
火災保険 | まず下りない |