屋根で最も雨漏りしやすい谷板金
屋根の板金には、スレート屋根の棟板金、軒先やケラバに取り付ける水切り用の唐草板金、谷樋、谷板金などがあります。雨漏りは屋根の本体ではなく、こうした板金や周辺の防水紙が劣化して発生するケースが多くなっています。谷板金があるかどうかは屋根の形状によって決まり、陸屋根以外のどの屋根にも存在する可能性があります。
また、瓦、スレート、金属、アスファルトシングルといった屋根材の種類には左右されません。「我が家はどうだろうか」「谷板金があるかどうかわからない」と疑問に思われるようでしたらぜひご相談ください。参考にしていただけるように、雨漏りが起こる原因になりやすい谷板金について詳しくご紹介いたします。
雨漏りが起こる原因
①経年による劣化
最近の谷板金には錆びにくいガルバリウム鋼板といった金属が採用されているとはいえ、時間が経てば錆のリスクがあります。
例えば、銅板の場合は瓦から酸性雨の雫が垂れるところが少しずつ色が変わり、最終的に穴が開いてしまいます。屋根の谷部分が10円玉のような色をしている場合には銅板が使用されている可能性が高く、酸性雨で穴が開く危険性が高いため早めに入れ替えることをおすすめします。
そのほかにも、鉄やトタンの場合には雨水による錆で穴が開いたり、大谷は施工不良によって谷自体にしわが入って割れ、穴が開いたりと、種類や形状によって穴が開く理由は様々です。いずれの場合も一度穴が開いてしまえばそこから雨水が入り込み、最悪の場合には室内にも浸入して雨漏りが発生します。特に、長い谷板金にある継ぎ目の部分は経年で歪んで雨水が溜まりやすくなり、錆びが発生しやすくなります。また、緩い勾配の瓦棒屋根や立平屋根の場合も要注意です。
CASE
施工事例
対象の記事はございません
谷板金の交換は高額になる場合あり
谷板金の修理を行うためには、谷板金の交換だけでなく屋根材の一時的な取り外し作業が必要となります。例えば、瓦屋根の場合は左右の瓦や棟瓦を取り外さなければならず、下地が傷んでいるようであれば交換しなければなりません。つまり、1箇所の谷板金を交換するだけでもその両隣にある屋根2面分の屋根材を剥がさなければならないのです。また、スレートや金属の屋根材は一度撤去したものを再利用できる可能性がありますが、アスファルトシングルの場合には再利用ができません。そのような理由から、瓦屋根以外で谷板金の交換が必要になった場合、条件によっては屋根カバー工法を選択した方がコスト削減になるケースもあります。